廉価ビジネス 2018 1 21

 消費者は、必ずしも最高性能を求めているわけではありません。
確かに、マニアは、最高性能を求めるでしょうが、
一般の消費者は、「ほどほどでよい」と考えるでしょう。
 全盛を極めた日本の液晶テレビが、
あっという間に外国製品に負けてしまったのも、
そこに原因があったでしょう。
 一般の消費者は、画質よりも、
大画面で厚さが薄くて場所を取らない液晶テレビを求めていたでしょうが、
日本のメーカーは、画質にこだわった観があります。
 「マニア向けビジネス」と「大衆向けビジネス」は、一致しないものがあります。
2017年は、パソコンのCPUは、久しぶりの豊作というか、
革新的な年になりましたが、
一般の人は、CPUで、いかに大変革があったとしても、興味がないでしょう。
 多くの人は、「インターネットを見ることができて、
ワードとエクセルが使えればよい」と考えるでしょう。
 こうなると、パソコンは、廉価ビジネスになっていきます。
パソコンが、マニア向けや愛好者向けの商品だった頃は、
20万円でも30万円でも楽に売れました。
 さて、2018年1月15日の「ダイヤモンド・オンライン」には、
このような記事があります。
 アップルが初めて有機ELパネルを採用した、
「iPhoneX(テン)」が失速の兆しを見せている。
 一方で、液晶パネルの「iPhone8」の販売がじりじりと盛り返しており、
初の有機ELモデルは曲がり角を迎えつつある。
(引用、以上)
 さて、2018年1月20日の時事通信社には、このような記事がありました。
ジャパンディスプレイ(JDI)が開発した新型液晶「フルアクティブ」が、
今秋にアップルが発売する見通しの次期「iPhone」の画面に
採用される方向になったことが20日、明らかになった。
(引用、以上)
 ポイントは、「割安であること」と「縁」でしょうか。
「縁」というと、わかりにくいかと思いますが、
絵画では、「額縁」に装飾を施したものがあり、
それが絵画を引き立てるかもしれません。
 しかし、スマートフォンでは、
「縁」は、なるべく少ない方がよいでしょう。
 最近のスマートフォンは、横の縁は小さいものの、
上下の縁は大きなものでした。
 有機ELパネルのスマートフォンでは、
上下の縁も小さなものとなりましたが、
やはり、最新技術ということで、割高だったでしょうか。
 そこで、新型液晶「フルアクティブ」の出番になったと思います。
フルアクティブでも、縁をひたすら小さくできます。
しかも、割安となっています。
 縁をひたすら小さくするメリットとしては、
まず、AR(拡張現実)に最適、
2画面スマートフォンや3画面スマートフォンに有効とされます。
あるいは、車載用ディスプレイ(ルームミラーなど)が紹介されています。
 将来的には、有機ELパネルの時代になっていくのでしょうが、
当面は、有機ELパネルと液晶パネルの二本立てになるでしょう。
 ところで、1990年代は、パソコンは、マニアや愛好家向けの商品でしたので、
CPUに新しいモデルが発売されるたびに、パソコンを買い替えていました。
 それどころか、「Windows」がバージョンアップするから、
パソコンを買い替えた時代でもありました。
 たとえば、「Windows3.1」から「Windows95」になると、
CPUのパワーが足りないからとか、
メモリの容量が足りないからという理由で、
パソコンを買い替えた時代だったのです。
 今は、パソコンは、一般大衆向けの商品となりましたので、
CPUの新製品が出ても、「Windows」が変わっても、
パソコンの買い替えは起こりません。






































































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